時間やお金をかけずにおしゃれで使い勝手のよいホームページを作りたい場合は、テンプレートが有効です。現在は、多種多様なテンプレートが存在しており、ほとんどの業種でテンプレートを使えば最低限のホームページを作成することができるでしょう。
しかし、テンプレートを使ったホームページ作成にはいくつかのデメリットも潜んでいます。そこで本記事ではテンプレート使用のメリット・デメリットを解説するとともに、表を用いながらおすすめのテンプレートギャラリーを徹底比較しています。
ホームページテンプレートについて正しく理解した上で、テンプレートを使うことが最適かどうか、また自社に合ったホームページテンプレートはどれか正しく見極める際の参考にしてください。
また、記事の後半ではホームページのデザインイメージを膨らませる際に有効な参考になるデザインのホームページを集めたギャラリーサイトも紹介しているので、デザインを考えるのが難しいと感じる方はぜひご覧ください。
目次
テンプレートとは
ホームページのテンプレートとは、文章や画像を挿入するだけでホームページが制作できるひな型のことです。HTMLやCSSの知識がない初心者でも、デザイン性の高いホームページを簡単に作れるのがメリットです。
テンプレートを選んだら、あとは好きな画像やテキストを配置していくだけで効率的に作業を進められます。無料のテンプレートを選べば、初期費用はほとんどかかりません。
また、ホームページテンプレートを使うなら、そのメリットやデメリットを十分に理解しておくと良いでしょう。以下、簡単に解説しますので、ご覧ください。
ホームページテンプレートを使うメリット
ホームページのテンプレートを使うメリットはやはり、「短時間かつ低価格でホームページを作成できる」ということです。
基本的には既存のテンプレートに対して、指示通りに言葉や画像を追加していくだけでホームページを作成することができます。イチからプログラミング言語を書いたり、外部と作業を進めたりする必要がないため、制作時間も大幅に削減できるでしょう。
ホームページテンプレートを使うデメリット
一方で、便利なホームページテンプレートにもデメリットはあります。例えば、「デザインのオリジナリティに欠ける」ということです。
テンプレートの中には、おすすめ業界を絞って販売されているものも多数あるので、ライバル会社が同じデザインのホームページを作成しているということも考えられます。また、完全に会社のイメージと一致したデザインのホームページを作成することができないのも懸念点です。
さらに、テンプレートによっては「公開後のサポートがない」といったことも考えられます。ホームページ制作会社に作成を依頼した場合には、公開後の運用までサポートしてくれることが多いですが、テンプレートでのホームページ作成となるとそうはいきません。
そのため、ホームページを初めて作成する方にはおすすめできないポイントでもあります。
ホームページテンプレートがおすすめの方
以上、ホームページテンプレートを使う場合のメリットやデメリットを踏まえると、以下のような方にはホームページテンプレートの使用がおすすめできます。
・できるだけ費用をかけたくない方
・なるべく早急にホームページを作りたい方
・ホームページデザインにある程度妥協できる方
・思わぬアクシデントが発生した際、社内や周囲に相談できる相手がいる方
デザインにこだわりたい/運用に不安がある方へ
ホームページ制作会社に依頼すれば、自ずとデザイン性の高いホームページは作成可能でしょう。また、ホームページ公開後のサポート体制も充実しているはずです。しかし、制作費が嵩むことはいうまでもありません。
そこで、価格を抑えながらもデザインにこだわってホームページを作成したい方や、なるべくコストをかけずにホームページ運用の悩みを解消したい方には、ホームページ作成ツール(CMS)の利用がおすすめです。
基本的な性質はテンプレートに似ていますが、ホームページ作成ツールの方が作成の自由度が広がることがあります。また、公開後のサポートプランが用意されていることもあるので、おすすめです。
ホームページ作成ツールについての詳しい情報は、以下の記事をご覧ください。おすすめツールの紹介を掲載しています。
テンプレートのギャラリーサイト9選
ここからは、おすすめのテンプレートギャラリーサイトを紹介します。ほとんどが商用無料で、「著作権表示なし」にできる選択肢もあります。
料金 | テンプレート数 | 特徴 | |
Template Party | 無料 | 1,000以上 | ビジネス・ショップ・飲食店・初心者向け等 多ジャンルを用意 |
無料ホームページテンプレート.com | 無料 | 100程度 | WordPress用テンプレートも用意 |
Wix | 月額900円~ | 500以上 | 個人サイト・音楽・ネットショップ等 多ジャンルを用意 |
Goope | 無料プランと有料プラン (月額3,850円) | – | 飲食・美容・スクール等 多ジャンルを用意 |
TEMPLATE GATE | 無料 | 30程度 | カラムやカラーで検索可能 |
jindo | 無料プランと有料プラン (月額945円〜) | 16 | SNS連携可能 |
Cloud Template | HTMLテンプレート:1,980円 WordPressテンプレート:4,980円 | HTMLテンプレート:1,500程度 WordPressテンプレート:250程度 | カラーやテイストで検索可能 |
フリー素材屋Hoshino | 無料 | 130 | レスポンシブ対応ページ作成可能 |
webnode | 無料 | 100以上 | 24か国語に対応可能 |
Template Party
個人サイトからビジネス、ショップ、飲食店向けなど幅広い業種に対応できる1,000個以上のHTML無料テンプレートがあります。介護施設向け、自治会・町内会向け、中古車販売向けなど、細かく分類されているのが特徴です。
また、特定の業種向けに有料の高機能版もあります。ライセンス契約(3,190円)で著作権表示なしにできます。
無料ホームページテンプレート.com
企業や店舗、サービスなどのHTML、WordPressテーマ無料テンプレートが約200種類。有料(2,980円)で著作権表記なしにできます。テンプレートだけで物足りない場合は、無料でデザインをカスタマイズできます。
Wix
1億人以上のユーザーがいるWix(ウィックス)には、ビジネスから趣味まで500種類以上の豊富な無料テンプレートがあります。ドメインを取得する場合は月額500円です。
データ容量によって月額900円~2,500円までのプランを選択できます。SNS連携やチャットツールも取り込めます。
Goope
Goope(グーペ)には、シンプルな無料版とより見栄えがよい有料版テンプレートがあります。特に、飲食店や美容院、事業所などに向いているテンプレートが多数あります。月額プランによってメルマガやアクセス解析機能も利用できます。
ビジネス利用のスタンダードプラン(月額3,850円)では、有料テンプレートが使いたい放題です。15日間の無料お試し期間が設けられています。
TEMPLATE GATE
無料のHTML・CSSテンプレートを備えており、ユーザー登録は不要です。テンプレートはグリーン系、ピンク系といった色彩別から選択できます。テンプレート数はそれほど多くはありませんが、登録せずに無料のテンプレートを利用したい場合に便利です。
jimdo
主に中小企業向けに展開しているjimdo(ジンドゥー)の無料テンプレートには、AIが自動で色やレイアウトを選択してくれる最新デザイン作成機能もあります。アクセス解析やドメインを取得ができるビジネスプランは月額約1,590円(年額請求)から利用できます。
ワンランク上のホームページ運営をしたい場合は、プロからのデザインアドバイスや本格的なSEOアドオンも利用できます。
CLOUD TEMPLATE
デザイン性の高い有料のWordPressテーマが約250種類、HTMLテンプレートが約1,500種類利用できます。利用前に、トップページだけでなくサブページのレイアウトも確認できて便利です。
テンプレートは色、用途、テイストから絞り込めるため、よりイメージに近いテンプレートを簡単に見つけられるでしょう。WordPressテーマは4,980円、HTMLテンプレートは1,980円です。高いデザイン性を求める事業者に向いているといえます。
フリー素材屋Hoshino
すべて無料でHTMLテンプレートを利用できます。一度ダウンロードしたテンプレートは自由にカスタマイズでき、著作権表記も有料で外せます。その他、ホームページに利用できる無料の写真素材が豊富なのが特徴です。
バナー用素材をはじめ、自然素材やビジネス系、動物、食べ物、季節素材などが自由にダウンロードできます。
webnode
100種類以上の無料テンプレートを利用できます。無料テンプレートでも広告表示はされません。また、中国語やスペイン語など25カ国もの多言語に対応しているのも特徴です。
有料プランに加入するとドメイン使用やアクセス解析が可能です。ドメイン使用だけの場合は月額378円、バックアップ機能がついたスタンダードプランは1,299円で利用できます。
ホームページテンプレート選びの5つのポイント
最適なテンプレート選びのポイントを解説します。
1. 自社の業種にあったテンプレートであるか
自社の業種と狙うターゲット層に合致したテンプレート選びが大事です。例えば同じファッション業界でも、ターゲット層が20代前半の独身女性と50代既婚男性とでは、色味やレイアウトを大幅に変える必要があるでしょう。
2. ベースカラーが制作イメージに合っているか
面積の広いベースカラーと、メインカラーの色彩でサイトの印象は大きく変わります。そのため、このふたつのカラーは慎重に選ぶべきです。例えば、落ち着いた色彩は信頼性を印象づけ、ストレス解消や緊張緩和には青や緑が有効です。
3. メインのコンテンツが読みやすいデザインか
サイトの目的を一目で理解してもらうためには、わかりやすいレイアウトが有効です。紹介する商品やサービスに応じて、そこにある情報が主役になっているテンプレートを選択する必要があるでしょう。
わかりやすいレイアウトを作成するための表示方法に「カラム」があります。カラムとはページ内での段組みを指し、1カラムはサイドバーのないメインコンテンツのみの表示形式になります。
マルチカラムレイアウトは、ページを複数の列に分割して配置するレイアウトのことを指します。回遊性が重要視されるポータルサイトやニュースメディアに用いられることが多いレイアウトです。2列で「2カラムレイアウト」、3列で「3カラムレイアウト」となります。カラム間の間隔や幅は、自由にデザインすることが可能です。
それぞれのカラムのメリットやデメリットについての内容は以下の記事で紹介しているので、是非ご覧下さい。
4. ユーザビリティに優れたサイトは作れそうか
せっかくの良質なテキストも、読んでもらえなければ意味がありません。ボタンの位置やテキストの大きさ、フォントの種類、コンテンツのわかりやすい配置、目的のページに簡単に到達できるかなど、ユーザー目線での配慮が重要です。
5. レスポンシブデザインに対応しているか
レスポンシブデザインとは、ホームページを閲覧しているユーザーの画面サイズに応じて表示を最適化する表示方式を指します。PCやスマートフォン、あるいはタブレットなど、デバイスの画面サイズに反応して自動的に切り替わるデザイン方式です。
レスポンシブデザインを取り入れるメリットは、以下の3つです。
- Googleがレスポンシブデザインを推奨している
レスポンシブデザインとは、ホームページを閲覧しているユーザーの画面サイズに応じて表示を最適化する表示方式を指します。PCやスマートフォン、あるいはタブレットなど、デバイスの画面サイズに反応して自動的に切り替わるデザイン方式です。 - ホームぺージ制作と運営におけるコストの最適化
PC用とスマートフォン用のホームページをそれぞれ構築する場合、HTMLとCSSの両方を2つ作成しなければなりません。さらにアクセスしたユーザーのデバイスに応じてリダイレクトする仕組みを用意すると、手間やコストを必要とします。 - ユーザーのストレスを軽減できる
デバイスを判定して振り分けるリダイレクトにはタイムラグがあるため、そのわずかな時間差がユーザーにとってストレスになり、離脱率の悪化につながるという点は大きな欠点です。
以下の記事ではレスポンシブ対応をしていないことのリスクやスマホ対応の方法について説明しています。より詳しく知りたい方は併せてご覧ください。
デザイン決定に役立つギャラリーサイトを紹介
他サイトを参考にすることでより自社サイトのイメージが膨らみやすくなります。最適なテンプレートを選ぶためにも様々なサイトが集まっているギャラリーサイトを参考にしてみましょう。
ギャラリーサイトを比較する際の基準
多くのギャラリーサイトがありますが、より参考になるサイトを見つけるための3つの基準について説明します。
- 同業種のホームぺージが掲載されているか
これから制作しようと思っているホームページと似ているサイトがあると大いに参考になります。また、カテゴリーの検索しやすさもギャラリーサイトごとに異なるので比較してみましょう。 - 掲載数が多いか
掲載数が多いということは参考にできるサイトが多いということです。同業種のホームページを参考にするだけでなく、他の業種の良いところをピックアップして自社サイトに取り入れることで、競合他社との差別化も図れます。 - 更新頻度が高いギャラリーサイトか
更新度が高いギャラリーサイトだと流行を取り入れやすくなります。ホームページのデザインは日々進歩しており、掲載数が多くても更新頻度が低いサイトを参考にしてしまうと流行に遅れた仕上がりになってしまいます。更新頻度に注目しながら自分にあったギャラリーサイトを見つけることをおすすめします。
おすすめギャラリーサイト3選
テンプレートを決めるにあたって参考になるサイトを見つけられるとその後のサイト設計もスムーズに行くことかと思います。以下ではおすすめギャラリーサイトを3つ紹介します。
SANKOU!
SANKOU!は2,383個(2021年5月9日現在)のデザイン例を掲載しています。Webサイト、ランディングページ(※)、コンテンツページなど目的や種類、デザイン性、色などさまざまなカテゴリーからデザインを検索できます。
サイト詳細を見ると「雑誌風なレイアウト・あしらい」「要素が動く」など細かいタグ付けがされているため、直感的にタグを選ぶこともできます。また、お気に入り機能もあるので気に入ったデザインを保存して後で比較することもできます。
※ランディングページとは、サイトを訪れた人が検索結果や広告から目的のサイトをクリックした結果、最初に表示されるページのことです。1ページ完結でストーリー仕立てとなっているものが多いです。
straightline bookmark
straightline bookmarkは26,067個(2021年5月9日現在)の豊富なデザインをそろえており、おしゃれでかっこよいものばかりです。タグリストには色(colors)やジャンル(genres)、言語、パターン(型)などの分類がされているためイメージに近いものを検索することができます。
サムネイルは大きさを変更することができるので、一度に探したい場合は縮小して、じっくり見たい場合は拡大して検索するなどしてスムーズに進めることができるでしょう。
ユーザー情報を登録すれば「my favorites」というお気に入り機能を使って好きなデザインを保存することができます。また、お気に入り数がサムネイルの下に表示されるため、何人がお気に入り登録をしたのかがわかります。
MUUUUU.ORG
MUUUUU.ORGは4,093個(2021年5月9日現在)のデザインを掲載しています。SANKOU!と同様に、業界やデザイン、型や色ごとにデザインの種類を選択して検索することができます。
サイトのファーストビューにあたる「LINEUP」はクオリティが高い順に縦に長いサイトを厳選して紹介するページです。デザイン性が高く、非常に見やすいデザインの中に重要な内容が盛り込まれたサイトばかりです。
これら以外のギャラリーサイトやホームページデザインについて抑えるべきポイントを以下の記事で紹介しています。よりデザインについて詳しく知りたい方は参考にしてください。
まとめ
テンプレートを選ぶときは、自社の業種や目的に合わせたり、ユーザー目線で使いやすいかどうかを確認したりすることが大事です。また、ベースカラーやメインカラーの選択にも注意し、メインコンテンツが読みやすいデザインであるかどうかも確認しましょう。
自社にとって有益なテンプレートを選択することで、サイト制作の質も向上でき、ユーザーにとって使い勝手のよいおしゃれなホームページに仕上がります。